世界中に数多く存在するチーズですが、その1つに「サントモール」という種類があります。
あまり聞き慣れないかもしれない『サントモール』とはいったいどのようなチーズなのでしょうか?
ここではそんなサントモールの歴史や特徴、美味しく食べる方法を紹介していきます。
チーズ・サントモールはどういうもの?
「サントモール」はフランスのポワトゥ地方発祥の山羊(やぎ)の乳から出来たチーズです。
サントモール(Sainte-Maure)の見た目はロールケーキのような楕円の筒型をしていて、端から輪切りにして使用します。
表面は白カビの皮で覆われているため、真っ白な見た目が特徴的です。
その中でも人気の『サント・モール・ド・トゥレーヌ』はやはり山羊乳から作られた筒型のチーズですが、中心に麦の穂を埋め込んでおり、表面は木炭の灰で覆われています。
下の写真のチーズの中央部の穴が麦の穂が刺さっていた跡です!
サントモールの特徴
山羊乳から作られたチーズを総じて「シェーブルチーズ」と呼ぶのですが、サントモールもそのシェーブルチーズの1つです。
シェーブルとはフランス語で山羊という意味を持っています。
山羊乳は酸味が強くて独特の匂いや風味を持っているため、シェーブルチーズも同様に、かなりクセが強いです。
そのため好き嫌いの分かれるチーズとなっています。
ですが口当たりが柔らかくて滑らかなので、チーズ通の人が最終的に行き着くのもシェーブルチーズだと言われています。
シェーブルチーズは熟成段階によって異なる美味しさを楽しむことができます。
シェーブルチーズの歴史
実は牛乳で作るよりも先に山羊乳でチーズが作られたと言われています。
その始まりはなんと紀元前!
場所は現在のシリアあたりです。
当時この地域には麦が生えていて、そこに山羊や羊が集まっていました。その後、人間がそれらの山羊や羊を牧畜するようになりました。
当時は食べる物も少なかったため、動物を殺して肉を食べているようでは、いつかは食材がなくなってしまいます。
そのため、恒常的に手に入る乳を食材とする中で加工食品であるシェーブルチーズが誕生したのです。
長い歴史を持つシェーブルチーズですが、サントモールの起源であるフランスへ伝わったのは8世紀頃だと言われています。
遠征の食糧としてシェーブルチーズが持ち込まれたほか、チーズの作り手であった女性たちがフランスに置き去りにされたことがきっかけです。
シェーブルチーズは当初、採集から1〜3日経った乳を利用していたため、強い酸味を持っているという特徴が生まれました。
やがてフランスのポワトゥ地方で誕生しまサントモールは、山羊乳を使ってチーズを作り、熟成させた後で表面に白カビをつけて繁殖させています。
この白カビが、シェーブルチーズの独特な風味を和らげて口当たりをまろやかにする役割をしているのです。
そのため、サントモールはシェーブルチーズの中でも特に食べやすい種類であると言えます。
サントモールの美味しい食べ方
さて、サントモールはどのようにして食べるのが美味しいのでしょうか?
先ずシェーブルチーズはそのまま食べるよりも、何かと組み合わせて食べるのがおすすめです。
果物や野菜と相性が良いので、ジャムやマーマレード、蜂蜜などを付けて食べると美味しく食べられます。
風味も和らぐので、独特な匂いが苦手な人もチャレンジしやすいかと思います。
また、トーストのトッピングにもおすすめです。
それに加えて、口当たりがなめらかでマイルドなサントモールは、胡桃やナッツなどと合わせてサラダのトッピングにするのもおすすめです。
そして白ワインにもよく合いますよ!
チーズ・サントモールの歴史や味の特徴と美味しい食べ方のまとめ
いかがでしたか?
山羊乳のチーズを食べる機会もなかなか無いかと思いますが、普段のチーズとは一味違った美味しさを発見できるかと思います。
チャレンジしてみたら新たな発見がありますよ!