現在、世界には1000を超える種類のチーズが存在していると言われています。その中の1つである「モルビエ」とはどのようなチーズなのでしょうか。
ここではモルビエとはどういったものなのか?
その特徴や食べ方、合うワインのタイプなどについても紹介していきます。
モルビエとはどのようなチーズ?
「モルビエ(Morbier)」はフランスのコンテ地方、スイスとの国境に接しているモルビエ村で生産されているセミハードチーズです。
「セミハードタイプ」とは、チーズをつくる工程の中で、プレスして水分を38~46%と少なくした、比較的硬い(半硬質)チーズです。
ナチュラルチーズの中でも保存性が高く、日本でもおなじみのチーズです。くせがなくて食べやすいので、初心者におすすめ。なお、熟成期間は短いもので製造後3~6ヵ月、長いもので1年ぐらいになります。引用:http://www.meg-snow.com/cheeseclub/knowledge/jiten/shurui/semi/
モルビエという名称は、産地であるモルビエ村に由来しています。
一般的にセミハードチーズは長期保存のためのチーズとされていますが、このモルビエは熟成ができないため、市場に出される期間も非常に短いです。
そのため日本で手に入れることはやや難しいチーズとなっています。
コンテ地方はとても自然豊かなので、乳牛の食べる牧草も栄養価が高く、牛乳の質がとてもいいと言われていま」す。
モルビエはその乳牛から採れたミルクを使用しているため、とてもまろやかで濃厚な味わいになっています。
モルビエの起原、臭いなどの特徴
モルビエは、フランスで最も生産量の多い『コンテ』というチーズの”余り”からできたチーズです。
そんなモルビエの最大の特徴は、内部に黒い線が入っていること。
この黒い線の正体は炭。
元々は鍋底のすすを使用していましたが、現在は代わりに炭が用いられているのです。
『コンテ』は、牛乳とタンパク質を凝固させて水分を除いた「カード」と呼ばれるものを粉砕、加熱、熟成させて作ります。
この過程の中で余ったカードを無駄にしないように、鍋に残ったカードを使用して作られたのがモルビエです。
鍋に残ったカードの表面に鍋底のすすを振りかけ、虫が入るのを防ぎます。
そして翌日、再び余ったカードを、そのまま鍋に継ぎ足します。
それがそのまま固まるので、先述したようにモルビエの内部には黒い線が入っているというわけです。
もちろん現在のモルビエはわざわざ余ったカードを使用して作られているわけではないので、鍋底のすすは使用されていません。
ですが伝統的なデザインを維持するため、現在ではすすの代わりに炭が使用されています。
ちなみにこの黒い線は無味無臭ですので、チーズの味わいには影響ありません。
モルビエの表面はオレンジ色ですが、中身は乳白色で炭の黒い線はただのアクセント。
後味に少し苦味が残りますが、クセがなく、食べやすい味わいです。
気になる臭いはというと外皮がたくあんっぽい、であったり納豆っぽい、と言う感想を持たれる方も多いようです。
時間が経つとさらにその傾向が強くなります。
それでいてモルビエは熟成するとどんどん風味が落ちていってしまいます。
美味しく食べるためには、やわらかな甘みが無くなってしまう前に、早めに食べきってしまうことがポイントです!
モルビエの美味しい食べ方、合うワインは?
モルビエの味自体はクセがなく、万人から好まれるような味わいのチーズです。
ということで、そのままでも十分美味しく食べられます。
その他には
- スライスしてバケットと一緒に
- 薄切りにしてサンドイッチに挟んで
- グラタンやピザなどの料理に使用したり、溶かして料理にかける
などの食べ方が一般的。
モルビエをお酒と一緒に楽しむのであれば、辛口の白ワインやフルーティーな赤ワインが合います。
ワイン自体に甘みがあり過ぎない方がモルビエのほんのりとした甘みが引き立ちますよ。
チーズ・モルビエの由来や臭い、食べ方とぴったりなワインのまとめ
いかがでしたか?
実はコンテというチーズの余りから作られていたモルビエ、フランス人の知恵から生まれた黒のラインは現代になってもアクセントとして健在です。
賞味期間が短いことから日本ではいつでも手にすることができる、というわけではなくスーパーなどではあまり見かけることができないかもしれません。
ですが他のチーズとは一味違うまろやかさで、贅沢な時間を堪能できる事間違いなし。
お試しする価値のある素敵な逸品ですよ!